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  3. ガス圧接工事業で必要な免許とは?

ガス圧接工事業とは

ガス圧接工事業は、建設業許可の一種である鉄筋工事に分類される業務です。
主に酸素とガスを混ぜた炎を使い、鉄筋と鉄筋を結合する仕事ですが、作業を行うには特定の免許が必要になります。
ガス圧接工事業に関連した資格は複数あり、各資格によって仕事内容は異なります。
中にはキャリアアップにつながる免許もありますので、ガス圧接工事業は、伸びしろのある業種といえるでしょう。
ここではガス圧接工事業に関連した資格の種類と仕事内容、さらに資格取得方法について説明します。

ガス圧接工事業の主な施工方法と資格の種類

ガス圧接工事と一口にいっても、使用する燃焼ガスの種類や加圧力操作方法の違いから、複数の施工方法があります。
ガス圧接工事に関連した資格は、各施工方法によって異なります。

手動鉄筋ガス圧接方法と必要な資格

鉄と鉄のつなぎ目のことを継手といいます。
この部分に圧力を加えながら、酵素・アセチレン炎で1,200℃~1,300℃に加熱、結合部に赤熱状態の膨らみを形成してつなげるのが、ガス圧接工事です。
その際バーナーの操作や加圧力の調整などを手動で行うのが手動鉄筋ガス圧接で、手動鉄筋ガス圧接技量資格は、工事をするのに必要な免許になります。

自動ガス圧接方法と必要な資格

ガス圧接工事では、加圧力や燃焼ガスを調整するほか、バーナーを操作することやアプセット(圧縮)量の調節が必要になります。
これらの作業を自動的に制御するのが、自動ガス圧接と呼ばれる施工方法で、自動ガス圧接技量資格者でないと施工できません。
技量資格証明書には、取り扱い可能な自動ガス圧接装置の機種が記されていますが、それ以外のものを使用することは禁止されています。

熱間押抜ガス圧接方法と必要な資格

手動ガス圧接で処理すると、継手に赤熱状態の膨らみが出ますが、それをせん断刃で除去するのが熱間押抜と呼ばれるガス圧接方法になります。
この作業に必要となるのが、熱間押抜ガス圧接技量資格です。

天然ガス圧接方法と必要な資格

ガス圧接には通常アセチレンガスが使用されますが、天然ガス圧接方法は、代わりに天然ガスを使います。
使用される天然ガスは、二酸化炭素の排出量とエネルギー使用量を抑えられるため、環境に優しい施工方法として注目されています。
天然ガス圧接方法の施工には、天然ガス圧接技量資格が必要になります。

高分子天然ガス圧接と必要な資格

高分子天然ガス圧接は、天然ガスを利用することに加え、酸化防止のため高分子還元材(PSリング)で継手部分を処理する、継手工法の一つです。
エコスピード工法とも呼ばれていますが、圧接時間の短縮や作業の標準化を実現することで、品質の安定化や作業負担の軽減につなげています。
この作業で必要な資格は、高分子天然ガス圧接技量資格です。

継手管理技士

継手管理技士は、ガス圧接工事について計画書を作成することや作業全般の指導や確認作業を行うための資格です。
継手管理技士にはいくつか種類がありますが、ガス圧接の計画から工程まですべてに責任を持つ圧接継手管理技士は、ガス圧接に関する最高責任者と呼ばれています。
ガス圧接工事業に関係のある鉄筋継手管理技士は、鉄筋継手の工事について幅広い知識と技術を身に付け、鉄筋継手の品質管理をはじめ、検査や計画などに関わります。

手動鉄筋ガス圧接技量資格について

手動鉄筋ガス圧接技量資格には1種から4種まで種類があり、取り扱う鉄筋の種類や鉄筋径、作業できる範囲がそれぞれ異なります。

手動ガス圧接1種(鉄筋径25mm以下)

この資格を受験するには、満18歳以上でかつ、ガス溶接技能講習修了証またはガス溶接作業主任者免許を持っていることが前提です。

手動ガス圧接2種(鉄筋径32mm以下)

手動ガス圧接1種を取得してから180日(6ヶ月)以上圧接作業に従事すると、受験資格が発生します。

手動ガス圧接3種(鉄筋径38mm)

受験するには、手動ガス圧接2種を取得し、その後180日(6ヶ月)以上圧接工事に従事する必要があります。

手動ガス圧接4種(鉄筋径50mm以下)

4種類の手動鉄筋ガス圧接技量資格の中で、一番施工可能範囲が広くなります。
受験資格は他の資格と同じく、手動ガス圧接3種を取得してから180日(6ヶ月)以上圧接作業員として働くことで得られるのです。
手動鉄筋ガス圧接技量試験は、学科試験と実技試験で構成されています。
学科試験で70点以上獲得、かつ実技試験で評価基準を満たすと合格になります。

自動ガス圧接技量資格について

公益社団法人日本鉄筋継手協会(以下、協会)が実施している自動ガス圧接技量資格は、自動ガス圧接4種(鉄筋径50mm以下)です。
試験を受けるには、手動鉄筋ガス圧接2種以上を取得(保有経験のある人も含まれます)していることと、「自動ガス圧接装置の取り扱いと自動ガス圧接に関する講習」を、受験前に受講するという、2つの条件を満たす必要があります。
自動ガス圧接技量資格試験は、実技(85分間)のみです。
実技試験で合格基準を満たすと、資格を手にすることができます。

熱間押抜ガス圧接技量資格について

熱間押抜ガス圧接技量資格には、1種(鉄筋径25mm以下)・2種(鉄筋径32mm以下)・3種(鉄筋径38mm以下)・4種(鉄筋径50mm以下)の4種類あります。

熱間押抜ガス圧接1種

受験するには満18歳以上であることが条件です。
その他、ガス溶接技能講習修了証、またはガス溶接作業主任者免許証のどちらかを持っている、受験前に協会指定の接熱間押抜ガス圧接講習会を受講することが条件になります。

熱間押抜ガス圧接2種

熱間押抜ガス圧接2種の受験資格は、熱間押抜ガス圧接1種の登録者で、登録後6ヶ月以上ガス圧接工事に従事することです。

熱間押抜ガス圧接3種

熱間押抜ガス圧接2種に合格、その後6ヶ月以上ガス圧接工事業に就くと、受験資格が発生します。

熱間押抜ガス圧接4種

この資格を受験するには、熱間押抜ガス圧接3種登録者であり、登録後6ヶ月以上ガス圧接工事に従事することが必要です。
手動ガス圧接2種以上取得していることでも、熱間押抜ガス圧接2種の受験が可能になります。
手動ガス圧接3種は、熱間押抜ガス圧接3種の、手動ガス圧接4種は、熱間押抜ガス圧接4種の、それぞれ受験資格に必要な条件ですが、各手動ガス圧接技量資格とあわせて、受験前に協会が指定する講習を受講しておくことが必要です。
熱間押抜ガス圧接資格試験には、学科試験と実技試験があり、両方の試験が合格基準(学科は70点以上で、実技は設定されている合格基準を満たすこと)に達することが、合格の条件になります。

天然ガス圧接技量資格について

協会が実施している、天然ガス圧接技量資格試験は、天然ガス圧接3種と4種です。
受験にはどちらもガス圧接技量検定委員会が指定する、技能講習を受講していることが前提で、天然ガス圧接3種は手動ガス圧接3種を、天然ガス圧接4種は、天然ガス圧接3種または手動ガス圧接4種を、それぞれ取得しておく必要があります。
試験は学科試験と実技試験があり、両方の合格基準を満たすことで、資格を取得できます。

高分子天然ガス圧接技量資格について

高分子天然ガス圧接技量資格は、第1種から第4種まであります。
高分子天然ガス圧接1種の受験資格は、手動ガス圧接1種や熱間押抜ガス圧接1種と同じく、満18歳以上で、指定された免許や講座の受講が求められます。
高分子天然ガス圧接2種・3種・4種の受験資格も、手動ガス圧接技量資格や熱間押抜ガス圧接技量資格と同じく、一つ前の資格(例えば、高分子天然ガス圧接3種を受講する場合は、2種)を取得、かつ180日以上のガス圧接工事業に従事することです。
手動ガス圧接2種・3種・4種を持っていることでも、高分子天然ガス圧接2種・3種・4種の受験がそれぞれ可能になります。
検定試験は学科試験と実技試験で、学科試験70点以上を得ることと、実技試験の合格基準を満たすことが、合格する条件です。

圧接継手管理技士と鉄筋継手管理技士

圧接継手管理技士の試験を受けるには、大学、短大または専門学校卒業後、建設関連の仕事に3年以上従事する必要があります。
最終学歴が高卒の場合は、建設関連業務経験が4年以上、学歴に関わらず、実務経験7年以上の人も受験資格が発生します。
鉄筋継手管理技士の受験資格は、大学卒業後、建設関連の仕事に3年以上就くことが条件になります。
最終学歴が短大や専門学校卒業の場合は、5年以上の実務経験が必要です。
圧接継手管理技士の資格試験は、学科試験と論述試験で、鉄筋継手管理技士は学科試験と口述試験になります。
どの試験も70点以上が合格ラインです。
ガス圧接によって処理される継手には耐震性があるとされ、継手工事のおよそ7割は、ガス圧接が占めています。
地震に強い建物を作るうえで欠かせないガス圧接工事業は、これからも安定した需要が続くと考えられます。
継手は手作業での施工になりますので、業界では腕の良い技術者が求められています。
自分の腕で評価されることの多いガス圧接工事業は、やりがいがある業種といえます。
ガス圧接工事業には、技術系の資格から管理職系の資格まで幅広くあります。
必要な資格を取得していくことで、キャリアアップも期待できます。
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