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  3. 基礎工事業の仕事内容とは?

基礎工事とはどんな工事か

基礎工事は、建築物を作る際にとても重要となる工事です。
建物が建物としてきちんと成り立つために必要とされる工事で、不十分な場合は建物が地面に沈んでしまったり、傾いたり、倒れたり、移動してしまったりすることすらあります。
つまり基礎工事のクオリティがそのまま建築物の耐久性能にダイレクトに影響するため、請け負う業者には高い技術と専門知識が必要です。
もちろん現場を担当する一人ひとりにもプロフェッショナルとしての腕を要求されますし、建築施工管理技士の資格を目指す人にとっては、必須の専門知識といえます。
一言で基礎工事といっても種類があり、建築物の土台を造るためには杭(くい)基礎と直接基礎の2つの種類に大別することができます。
またそれぞれはさらに細分化され、建物を支える形式によって分かれる点も特徴です。
それでは、それぞれがどのような工事か解説しましょう。

杭基礎

地盤が軟弱な場合に採用される基礎工事が杭基礎で、既成杭工法と場所打ち杭工法の2種類に細分化されます。
地面に杭を打ち込むことで地盤を固め、建物のベースの安定性を高めるのが目的です。
地盤には建物の荷重がそのままかかるため、弱いと建物全体が不安定になり、そのままでは工事を進めることができません。
既成杭工法は既製品の杭を使用する方法、場所打ち杭は現場に掘った穴の中に鉄筋を挿入し、その場で杭を作る手法を指しています。

直接基礎

地盤に直接基礎を作るため、杭などを使わない工法が直接基礎です。
地盤が比較的強く安定していること、建てる予定の建築物が低層であることが採用の条件です。
種類にはベタ基礎、布基礎、フーチング基礎、独立基礎などがあり、それぞれ地盤や建物の種類に応じて適切に使い分けられます。
ベタ基礎は建物の底面すべてに基礎スラブを構築する工事で、現在多くの住宅が取り入れている工法です。
建物の安定性が高いため地震の揺れや不同沈下にも強くなり、地面から上がってくる湿気や白アリを防ぐこともできます。
布基礎は鉄筋コンクリートが連続する基礎で、建物の柱や壁にあたる部分に設置した枠内に建築の基礎となるコンクリートを流し込む工事法です。
ベタ基礎は面、布基礎は壁面に沿った線で支える考え方で、布基礎とはいえ布を使うわけではありません。
フーチング基礎は建物の荷重が直接地盤に伝わる仕組みとなっており、独立基礎は基礎が独立した形となるのが特徴です。

基礎工事業者の仕事

前述の通り、建築物の基礎部分を造る専門家が基礎工事業者です。
基礎屋さんなどと呼ばれる基礎専門の職人が行うことが多いですが、個人の住宅では大工がまとめて引き受けるケースもあります。
ただし、基礎工事の仕事には測量や配筋・コンクリート打設などの専門知識や専門技術が必要となるため、その腕がある人員が担当する必要があります。
どんな規模の建物でも、地盤の上に建築物を建てる以上基礎は必須となりますので、その仕事内容も非常に多岐にわたるといえるでしょう。
一戸建てでも高層マンションでも基礎の重要性は変わりませんし、競技場のような大規模な施設や橋梁などの社会インフラ整備でも非常に重要な仕事であり、現場によって工法もさまざま使い分けることが求められます。
特に近年では、一つのプロジェクトの中で複数の工法を組み合わせた併用工法という手法が求められるケースも増え、現場には高い技術や専門知識が求められるようになりました。
先に挙げた橋梁の基礎工事はその典型的な事例で、使われる重機も大型特殊重機となり、ハンマーやスクリューなどを駆使した大規模な基礎工事が行われるのが主流です。
こうした重要な仕事は独自のノウハウと信頼を得ている建設業者が依頼を受けて仕事を請け負い、地盤調査に基づき必要な処置を行うのが一般的です。

基礎工事の進め方

基礎工事がどのように進められるか、一般住宅のベタ基礎を例に解説しましょう。
まず地縄を張る遣り方工事が行われ、建物がどの部分に建つかわかるようにロープなどで印を付けます。
次にパワーショベルなどの重機で基礎の底になる高さまで土を掘る掘削工事(根切り)を行います。
そして砕石と呼ばれる細かく砕いた石を全面に敷き、圧力で地盤を固め、その上に防湿シートを敷き、捨てコンクリートを流して乾いたら墨出しです。
これで建物を建てる位置が定まりますので、鉄筋を組みます(配筋)。
外周にコンクリートが漏れないよう型枠を組み、まずはベースのコンクリートを打設し、それが乾いたら内部の立ち上がり部分に型枠を組み、同様にコンクリートを打設します。
コンクリートの強度が出たら型枠を外し、土間や勝手口などのコンクリートを打設したり不要なコンクリートを除去したりといった作業を行い、ようやく基礎が完成です。
戸建て住宅でここまでには通常、1ヶ月半ほどの期間がかかるのが一般的ですが、天候や季節によってもコンクリートの渇くスピードが変わるため一概にいえません。
もちろん工期はありますが、ここが建物の運命を変える重要な勝負処といえるでしょう。
間違いのない仕事ができる建設業者、職人が揃って初めて成し得る工事といえます。

基礎工事業のやりがいや面白さ

建築基礎工事の仕事には、大きなやりがいや面白さがあります。
まず建物の重要な部分である基礎を担うという責任は、大きなやりがいにつながるでしょう。
何事も基礎が重要だということは誰もが知ることですが、公共施設や社会インフラを文字通り縁の下で支えるのは基礎工事業者とそこで働くプロフェッショナルです。
特に大規模な施設にはスケールの大きな基礎工事が必須ですので、非常にやりがいある仕事ができるでしょう。
また、さまざまな作業に携わることができるのも大きな魅力です。
流れの項でも触れた通り、建築基礎工事には非常に多くの作業があります。
掘削やコンクリート打設などさまざまな作業が身に付くため、多くのノウハウを手にすることが可能です。
リタイアした後自宅の敷地内に自力で建物を建てる人も少なくありませんが、基礎工事だけは専門家に頼む人も非常に多いですから、基礎からすべてできる人はそう多くはありません。
そして現場ではチームで仕事に取り組むため、プロフェッショナルが団結して大きな目標を達成するやりがいがあります。
一人ひとりが緻密な仕事をするための確かな技術が身に付くのと同時に、大きな力を発揮するチーム力も身に付くのが建築基礎工事の魅力の一つです。

基礎工事に関連する資格

基礎工事は最も重要な工事ですので、大きな責任を担い大きな達成感を得られる仕事です。
ただ、基礎工事の仕事に就くだけなら、最初から特別な資格がないとできないわけではありません。
もちろん関連資格をすでに取得していればより就職しやすいのは確かですが、何よりモチベーションがあることが大切です。
基礎工事に従事する人が目指す関連資格の代表格は、基礎施工士です。
基礎施工士は一般社団法人 日本基礎建設協会が認定する民間資格で、合格すると場所打ちコンクリート杭工事に関する技能保持者として履歴書にも記入できます。
ただ受験資格にはそもそも実務経験が必要となるため、働きながら取得を目指す資格となります。
試験は学科のみですので、しっかり勉強すれば合格できるでしょう。
基礎施工士の主な仕事は、作業手順や搬入タイミングの決定、職人の手配や作業内容の指示などです。
比較的規模の大きい建物の現場造成杭工事や障害物の撤去工事などでは重要なポストで、使用機材や工法、作業人数などを報告する安全書類の作成や進捗状況の記録など事務仕事もあります。
基礎工事業の世界に入る際、もちろん誰もが最初は未経験者ですが、基礎工事に興味と高いモチベーションがあるなら、門戸は広く開かれているといえます。
資格取得支援制度などを設けている企業もありますので、そうした職場で働きながら勉強し、ステップアップできる環境を得ることも可能です。
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