空調衛生設備工事業は、人々が建物を快適に利用するためには絶対に必要な仕事です。
各部屋に空気を送るために、空調機を設置したり、ダクトを設置したりします。
また、給排水設備を設置し、トイレを使えるようにしたり、きれいな水やお湯を給湯室に運んだりするのもこの仕事の役目です。
深い専門知識が求められる仕事なので、非常にやりがいがあり、一度知識や技術を身に付けてしまえば、長年にわたって活用できる息の長い仕事でもあります。
そのため、一生の仕事を探しているような人にも向いています。

空調衛生設備工事業は、建物の快適性を上げるための仕事です。
建物内の空調には、空調機からの空気を各部屋に送るためのダクトが必要です。
このダクト工事をするのも空調衛生設備工事業の仕事になります。
また、建物内のトイレや給湯室を利用すると、普通に水やお湯が出てきます。
しかし、これは事前に配管が繋げられているからです。
この配管工事を行うのも空調衛生設備工事業の仕事です。
このように建物内で利用される空調設備や給排水設備に関する工事に携わるのが、この仕事の大きな役目になります。
一言で空調衛生設備工事といっても、建物によってまるで内容が異なってきますので、高度な専門知識を求められる仕事だともいえるでしょう。

空調衛生設備工事業の中でも、建物の給排水を扱う工事です。
すでに設置された給排水設備の工事を行うこともありますし、新しく設置される給排水設備を担当することもあります。
建物の給排水設備にはさまざまなものがあり、トイレや水栓関係はもちろん、ポンプや貯水槽などの衛生設備全般を担当します。
いずれも専門知識が必要な仕事なので、さまざまな資格が関わってくる仕事です。
また、給水管だけではなく、排水管の設置なども範囲に含まれ、排水桝や雨水枡なども関係しています。

空調衛生設備工事業の中には、空調設備と換気設備に関するものもあります。
空調と換気は表裏一体の存在なので、新築などの場合は、基本的にあわせて行っていくものです。
空調設備工事は、空気を各部屋に送り込むためのダクト工事もあります。
さらに、近年はエアコンが当たり前の時代なので、住宅用のエアコンや業務用のエアコンの設置を担当することもあるでしょう。
また、単に外の空気を送り込んだり、排出したりするだけでは空調屋とはいえません。
大容量の温かい空気や冷たい空気を室内に送り込むためには、空調機と熱源が必要です。
そのため、空調機とダクトを繋いだり、ボイラーや蒸気発生器などの熱源から、熱交換する仕組みを組み立てたりするのもこの仕事に関係のある分野になります。
最近は、エコや省エネという言葉が流行っているため、建築物の省エネ改修工事などを行う際にも空調衛生設備工事業は重要です。

空調衛生設備工事業は、建物の空調設備や衛生設備を全般的に担当する仕事です。
そのため、建物の規模によっては、非常にスケールの大きい仕事になります。
特に大規模商業施設などの工事に携わる場合は、壮大な計画のもとで仕事を行っていくのです。
空調衛生設備工事業の大まかな仕事の流れは、まず設計図の確認から入ります。
空調衛生設備工事は、設計図に基づいて工事が行われますが、必ずしも合理的な設計図になっているとは限りません。
そのため、上がってくる設計図をしっかりと確認し、改善案があれば、積極的に提案することも重要なのです。
工事が大規模になることもあるので、その場合は仮設計画も必要になります。
これは作業員や現場監督の事務所や詰所を設置するための計画です。
設計図の確認が済み、問題がないようなら、今度は施工計画に移ります。
設計図に基づき、より具体的な作業計画を練るための工程で、資材の搬入や足場の確保などまでを綿密に練り上げていきます。
施工計画が完成したら、今度はそれに基づき、作業工程の計画です。
大規模な現場になればなるほど作業工程表は重要になり、多くの作業員が、これに基づき作業をしていきます。
空調衛生設備工事業で重要なのが、電気工事業者や建築設備業者との連携です。
そのため、空調衛生設備の計画だけではなく、電気工事業者や建築設備業者などとの現場全体での計画も重要になってくるのです。
このように空調衛生設備工事業は、ダクトや排水管を設置する現場作業のほかに、現場全体を取りまとめるための事前確認なども多い仕事になります。

空調衛生設備工事業に向いている人は、ものづくりが好きな人です。
非常に規模の大きなものづくりに携わることができる仕事で、一般住宅の設備を担当することもあれば、駅前に建っているような大規模な商業ビルやホテルの設備を担当することもあります。
数ヶ月、数年かけて、少しずつ建物が完成していく様子を確認しながら、仕事に携われるので、ものづくりが好きな人にとっては、かなり楽しい仕事になるはずです。
また、現場で作業するのが好きな人にも向いています。
管理者にまでなれば話は変わってきますが、基本的に職人たちは、現場で作業することが多いです。
配管を組んだり、ダクトを繋げたりと、自らの技術や知識を使って、身体を動かしながら働けます。
さらに、集中力がある人も向いているでしょう。
配管やダクトを見ればわかりますが、同じような部品がいくつも繋がっています。
この仕事は、作業を黙々とこなしていくのが基本なので、コツコツと作業を積み上げるのが好きな人や集中力が高い人にはぴったりです。
たとえば、エアコンの設置をする場合、大きなビルになると、1台設置すれば良いというわけではありません。
空調機に関しても、各階やエリアごとに設置するのが普通です。
そのため、同じ作業を連続してこなす集中力が必要になるのです。
また、空調衛生設備工事業は、電気工事業者や建築設備業者との連携が求められることも多く、現場で一緒になることも多いです。
そのような意味ではチームワークが重視される仕事ともいえるでしょう。
空調機を設置するといっても、その階に電気がきていなければ動きません。
重量物であるポンプを設置するためには、その下の土台がしっかりとしていなければダメです。
このように多くの人たちと連携する職場になりますので、連携作業に喜びを感じられるような人もこの仕事には向いています。

空調衛生設備工事業は電気工事などとともに、かなり奥の深い専門知識が求められる仕事です。
建設業界においてもかなり特異な仕事に該当しますので、一度専門知識を身に付けると、非常に強い仕事ともいえるでしょう。
空調設備や給排水設備は、建物を快適に使うためには、絶対に必要です。
さらに、メンテナンスが必要な場合や突発的なトラブルに見舞われることもあります。
その都度、空調衛生設備に詳しい専門業者が必要になるので、この仕事の需要が尽きることはないといっても過言ではありません。
だからこそ技術を身に付けたことに意味がある息の長い仕事といえるでしょう。
時には難解な専門知識を求められることもあり、それを修得するのは大変ですが、逆に考えればそれだけ競合相手が少ない業界でもあります。
それが専門的になればなるほど、ライバルは少なくなるので、一生かけて技術を身に付けるのに値する仕事です。