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建設揚重工事業とは

建設揚重工事の「揚重(ようじゅう)」という言葉は、クレーンなどで資材や重機を目的の場所まで引き上げることを意味します。
一般にはあまり耳にすることのない言葉ですが、「荷揚げ」や「資材搬入」と聞けば、多くの人がなんとなくはイメージできるのではないでしょうか。
建設揚重工事業は、移動式クレーンを使用してあらゆる工事現場に必要な建設資材を配置したり、鉄骨を組み立てたり機械器具の据付工事を行ったりする業種です。
対象となるのは土木工事や建築工事、プラント工事はもちろん、鉄塔や橋梁工事など社会インフラを建設する公共事業の現場も該当する幅広い事業といえます。
建設工事に付随する揚重作業を請け負うのは専門の工事業者であり、移動式クレーン運転士免許など国家資格を持つ人員が、正確に重機を操作して揚重作業を行うのが特徴です。
いかに素晴らしい図面があり、いかに素晴らしい工事業者が勢揃いしていても、肝心の建設資材が必要なときに必要な場所になければ、誰も何もできません。
そうした意味では揚重工事業者は建設現場になくてはならない存在であり、非常に重要な役割を果たす業種だといえるでしょう。

建設揚重工事業の仕事内容

建設揚重工事業のメインの仕事は、定められた日時に定められた場所へ建設資材を配置することに尽きます。
一般的に聞くと当たり前のことのように感じるかもしれませんが、実際の現場環境ではその当たり前のことを当たり前に間違いなく実施するのは、非常困難だといわざるを得ません。
現場はまさに水物で、さまざま要因によって予定通りのことを実行するのが非常に困難なケースが多いのです。
クオリティを下げず、環境に適切に対策しながら着実な仕事を実行できるプロフェッショナルな揚重工事業者は、各方面から非常に高い信頼を寄せられる存在といえます。
建築現場において、建設資材の搬入や運搬、配置や間配りなどの作業は、どれも分業化されているのが現代の一般的な形です。
一昔前までは、現場で使う資材類は使う立場の人員が自分たちの手で搬入して配置するのが一般的でした。
ただこの方式はあまりに非効率なため、建設業界に効率化の波が押し寄せる昨今、それぞれを完全に分業したほうが工期短縮やコストメリットが出るため、多くの企業が分業を採用するようになりました。
荷揚げは荷揚げ専門業者がまとめて行ったほうが、安全性も確保され、工期も明確化できます。
つまり荷揚げの専門職が生まれたことで、現場としては結果的により安全によりスピーディーに、しかも低コストで揚重作業が行えるようになったのです。
こうした時代背景から生まれたのが揚重工事・荷揚げ専門の請負業者であり、近年では建設工事を請け負う業者が「荷揚げ屋さん」「揚げ屋さん」と呼ばれる専門業者へ揚重の仕事を依頼するのが当たり前となりました。
もちろん専門を名乗るほどに、荷揚げは一昔前のように誰でもできる作業ではなくなったという点も特筆できるでしょう。
施工職人は施工に専念し、必要な資材の配置は揚重の専門職人が実施する、それが現在の現場の在り方です。

建設揚重工事業の将来性

すでに現在の建設現場では、資材の配置、資材移動など揚重は専門業者に任せることが当たり前となりました。
建設現場は規模に関わらず、最も重要なのは安全管理です。
その大前提において、工期のできる限りの短縮と実行予算の低減が追求されることになりますが、実は揚重は安全管理においても、工期短縮においても、非常に重要な役割を担う存在になりつつあります。
工事を安全でスムーズに行うためのポイントは、建設資材をいかに的確に、スピーディーに必要な施工箇所へ移動させるかです。
ところが一定規模の建設現場になると施工は複数の会社が担当するため、同じ建設現場内にありながら、それぞれの会社が担当する施工箇所へ建設資材を移動させるために余計な段取りが発生することになります。
クレーンやピアットなどの稼動時間の割り振りや運搬人員の確保、スケジュールの擦り合わせなどが複雑化し、それだけで手間のかかる管理業務が生じるのは効率的とはいえません。
そこへ横串で動ける揚重の専門業者が入ることで、よりスムーズに資材の搬入や移動を行い、まさに決められた日時に決められた場所で資材を配置することが可能となるのです。
建設現場の将来を考えたときに、スケールの大きな現場ほど揚重業者は必要不可欠な存在となり、独自のノウハウと経験を持つ専門の職人が必要とされることは間違いありません。
建設揚重工事業の未来は明るいですし、今後も需要の高い業種であることは確かでしょう。

建設揚重工事業に必要な資格

建設揚重工事業に就こうとしたとき、最初からなんらかの関連資格を持っていればより有利なことは間違いありません。
ただ、近年では未経験から人材育成を行っている企業も増えましたし、募集もありますので門戸は広いといえます。
それでも現代の荷揚げ作業は、たとえ重機を使わず人員の手で行うとしても、確かな経験と技術を要することは間違いのない事実です。
例えば、まったく経験のない学生アルバイトや体力のない年配者が出向いたため、本来は施工を担当すべき職人たちが見かねて自分たちで荷揚げをしたなどという、あってはならない事例も以前はあったようです。
つまり資格の有無とは別に、専門職に恥じない職人が、安全に現場に即した形で資材を配置することが非常に重要だといえるでしょう。
これは実際に仕事に就いて現場で技術を磨き、着実に身に付ける以外に方法はありません。
その他建設揚重工事業で有用とされる資格としては、玉掛1t以上、フォークリフト1t以上、建設用リフト、クレーン5t未満、高所作業車10m未満など重機関連の資格が挙げられます。
また、アーク溶接や足場の組立など、業務を遂行するうえで役立つ資格もありますので、目標に据えることができるでしょう。
会社によってはこうした資格の取得をバックアップしていくれる制度もありますので、そうした職場であれば働きながらステップアップを目指すことも可能です。
もちろんこうした資格取得者は給与待遇も上がりますし、能力に見合うポジションへ昇格するのが一般的ですので、責任ある仕事を任されるようになりモチベーションのアップにもつながります。

建設揚重工事業のやりがい

建設揚重工事業で働くやりがいは、建設現場でなくてはならない重要な役割を果たし、スケールの大きな建造物にも携われることでしょう。
また安全に配慮し、決められたスケジュールどおり決められた資材を搬入・配置することは、多くの専門家のニーズに応え大きな達成感や充実感を得られる仕事です。
何を置いても荷揚げ屋がいなければ話にならないといわれることも多い職種です。
多くの人から必要とされる立場ですし、職人としてきっちり仕事を納めたい人にはとても向く職業といえるでしょう。
また、一人では成し得ない仕事ですので、コミュニケーションが重要となる職場です。
チーム力を大事にする企業も多いですし、現場ではお互いに尊重し合い、相手をフォローしながら仕事を進めていくことで仲間の絆も深まるでしょう。
いかに効率的に資材を目的地に運ぶかが問われますので、動線の確保や現場の整理整頓、車両や物の動かし方のシミュレーションなど頭脳戦も必要です。
大きな建設現場で資材運搬業務を一括管理するような企業なら、各施工会社と個別に打ち合わせするなど折衝スキルも上がるでしょう。
大手ゼネコンと施工会社の間に入り、現場の全体管理を行っている企業もあります。
一言で揚重工事業といってもさまざまな企業がありますので、自分がどのような働き方を目指すか、目標を決めて職場を探すことが大切です。
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