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鋼構造物工事業について

鋼構造物工事業とは、日本に29ある専門工事の一つであり、形鋼・鋼板など鋼材の加工または組立により工作物を築造する工事を担う事業を指します。
具体的に説明すると、鉄骨工事や橋梁工事・鉄塔工事・石油やガスなどの貯蔵用タンク設置工事・屋外広告工事・閘門(こうもん)水門などの門扉設置工事などがそれにあたります。

鋼構造物とは何?

鋼構造物工事業を知るにあたり、鋼構造物とは何かについてご説明しましょう。
鋼構造物は、部材に鋼が使用された構造物を指します。
鋼構造といわれることもありますが鉄骨構造と呼ばれることもあります。
ただ、実際は鉄ではなく鋼材を使うので素材は鉄ではありません。
鋼自体は比較的軽量であり、強度や剛性が高い材料ですので長いスパンで使用できるという点が特徴です。
鋼構造物は、基本的に事務所ビル、倉庫、軽微な平屋で使用されていますが、音を伝えやすい構造物となるため、分譲マンションでは使われることはありません。
分譲マンションなどは室内それぞれに音や振動が伝わりにくいようにするため、鉄筋コンクリート造り(RC構造)にして壁厚やスラブ厚を大きくされます。
またこの鉄筋コンクリート造りも鉄骨鉄筋コンクリート造り(SRC構造)のようにコンクリートの中に埋め込まれている鉄筋や鉄骨は、鋼構造物に含まれることはありません。

業種区分がわかりにくい工事がある

鉄骨工事は鋼構造物工事業に含まれていますが、鉄骨組立工事は鳶・土木・コンクリート工事に区分されます。
区別の付け方は、骨を製作しさらに加工から組み立てまで請け負うのが鋼構造物工事業の鉄骨工事にあたり、加工されたものだけを現場でただ組み立てるだけの工事を請け負うケースがとび・土木・コンクリート工事業の鉄骨組立工事にあたります。
また、現場で屋外広告物を製作、加工、そして設置までを一貫して請け負っているのが鋼構造物工事業の屋外広告工事ですが、これ以外の工事は鳶・土木・コンクリート工事の屋外広告物設置工事にあたります。
鋼構造物工事業の鉄骨工事では、鍛冶工や鉄骨工と呼ばれる技術者が鉄骨の製作や加工を行い、溶接によって組み立てられます。
また、ビルの外壁にある避難階段を設置する工事は、消防施設工事ではなく、建築物の躯体の一部工事としてみなされるため、建築一式工事もしくは鋼構造物工事業に当てはまります。

鋼構造物工事業を営むには建築業許可が必要

企業が鋼構造物工事業を運営するにあたり、軽微な建設工事以外の鋼構造物工事を請け負う場合、公共工事であっても民間工事であっても建築業許可が必要となります。
建設業許可を受けるには5つの許可基準を満たす必要があります。
経営業務の管理責任者、専任技術者を営業所ごとに置く、誠実性、財産要件、欠格要件に該当しないといった5つの要件です。
経営業務の管理責任者は、建築業許可を持つ事業者の役員、事業主などにあたります。
5年以上の鋼構造物工事業での経営経験がある方もしくは、6年以上のほかの建設工事業種で経営経験がある方です。
また、専任技術者は、一級土木施工管理技士や二級土木施工管理技士(土木)、一級建築施工管理技士、二級建築施工管理技士(躯体)、一級建築士などの資格を持っている方や土木工学など指定学科を卒業し、一定以上の鋼構造物工事の実務経験がある方、実務経験が10年以上ある方などが挙げられます。

鍛冶工・鉄骨工の仕事

鍛冶工・鉄骨工は、建築物に使用される鉄骨を加工して取り付けを担う仕事を行います。
鋼材を必要に応じて曲げたり、繋げたりなどの随時加工を行い、鉄骨を使用して現場で組立作業を行っていきます。
この仕事には豊富な経験と知識を持って、指定された骨組みを構築していかなければなりません。
鉄骨などのように骨組みを作る仕事は、わずかなズレも許されない仕事です。
固定する際の隙間、鉄骨の歪みが大きなズレにつながり、それが建物自体の性能を落としてしまいます。
そのため、鍛冶工・鉄骨工は手先が器用であると同時に正確な仕事ができること、そして几帳面な方が向いているといえます。
基本的に鉄骨製造会社、鋼材メーカーなどに就職をし、鍛冶工・鉄骨工の下で見習いとして働きながら、必要な専門知識や技術を身に付けていく形です。
近年での鉄骨加工は優れた精密機械で行われることが多いですが、最終確認は熟練の鍛冶工・鉄骨工によりされています。

鍛冶工・鉄骨工になるために必要な資格は?

この職種に携わるにあたって必要な資格は特にありませんが、鉄骨組立作業主任者や溶接・ガス切断、高所作業、玉掛け(クレーン)などのような資格を取得しておくと仕事にも役立ちます。

鍛冶工・鉄骨工に向いている人

これらの仕事は精度の高さを求められる作業です。そのため緻密な作業が好きであり、完成の品質の高さを求めることができる方が非常に向いているといえます。
また、モノづくりに興味がある方もぴったりといえるでしょう。

溶接工の仕事

溶接工は、建物などの材料を接合するスペシャリストです。
溶接の作業を行うために材料をいかに加工したら良いか設計しなければなりません。
どの位のサイズの製品を扱うかにより必要な鋼材は異なるため、図面を見て必要な分のみ金属専用のカッターや切断機を使用してカットしていきます。
その後鋼材を、ハンマーを使って叩いて曲げて形を形成します。
さらに鋼材に熱や電気、圧力などを加えて溶かし、材料を繋いで製品を作っていきます。
また、溶接の際に付着するクズを取ることや塗装してカラーを調整する作業も担っているのです。

溶接工になるために必要な資格は?

溶接工は火、電気、ガス、圧力を扱う仕事であり、危険と隣り合わせの仕事です。
溶接に使う材料や機材に関する専門知識を有し、さらに高い技術力を持っていないと火傷や視力低下などといった大怪我を負う可能性も否めません。
よって溶接工では専門の学校を卒業し、資格を取得が必要となります。
日本溶接協会が全国で評価試験を実施している溶接技能者という資格を取得がその一つです。
この溶接技能者は扱う材質などによって分野が分かれており、その中でも有名なのがガス溶接技能者とアーク溶接作業者です。またガス溶接作業主任者もあります。
ガス溶接技能者は、ガスバーナーを使って金属を繋ぎ合わせるガス溶接を行う際に必要な国家資格です。
またアーク溶接作業者は、アーク放電を使って金属を繋ぎ合わせるアーク溶接を行うために必要となる国家資格です。
ガス溶接作業主任者は、ガス溶接を実施する際に指導者となっていかに作業を進めていくかなどを決め、作業員に指揮をとるための資格です。
この資格は実務経験年以上必要で、ガス溶接技能者のさらに上の資格です。
溶接の仕事を始めたい方はまずこのガス溶接技能者とアーク溶接作業者の資格を取得するのが望ましいです。

溶接工に向いている人とは

溶接の作業では鋼材を切断することや断面をハンマーで叩く作業があり、重くて大きいものを扱うことが必要です。
また冷暖房設備のまったくない現場で溶接を行う際に熱を浴びて仕事を行うことになります。
そのため、体力に自信のある方が向いているといえるでしょう。
また記述のように溶接工の仕事は危険が伴う仕事ですので、ちょっとしたミスで大きな怪我や事故を招いていしまいます。
溶接工はただ作業するだけではなく、作業おいていかなるリスクが起こり得るかを先々に考えて行動できる人間が求められています。
つまり、計画性があり慎重に行動ができる方が向いています。
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