1. TOP > 
  2. 建設業界での転職役立ちコラム > 
  3. 切断穿孔工事業ってどんなことをする?

切断穿孔工事って何?

工事現場などの近くを歩いていると、チュイーン、という音に出くわしたことがある人は多いはずです。
あの音がどうして鳴るかというと、カッターを使ってコンクリートを切断しているからにほかなりません。
カッターとコンクリートが摩擦することであの音が生み出されているのです。
従来コンクリートの建物を解体するためには重機などを使って崩壊させていくのが一般的でした。
しかしそれだと重機とコンクリートがぶつかり合う際に轟音が生み出されてしまいます。
周囲に何もない建物ならともかく、街中の建物を解体する際にはこうした騒音は周辺住民の苦情を招いてしまうでしょう。
そこで開発されたのがカッターでコンクリートを削る技法なのです。
当然ながらこのカッターを扱うためには専門の技術を身に付けなければなりません。
そして、この技術を持っている人が従事する業務こそ、切断穿孔工事業と呼ばれるものなのです。

切断穿孔工事業は人々の暮らしを支えている?

先ほどは建物を解体する際の切断穿孔について取り上げました。
もっとも、それだけが切断穿孔工事の仕事とは限りません。
大がかりなものから細かな作業まで、切断穿孔に関わるすべてを引き受けるのが彼らの仕事です。
そして、そのほとんどは人々の暮らしを支えているといっても過言ではありません。
まず代表的な仕事として建物の配管口などを作るための穿孔が挙げられます。
今の時代、水道を引いていない建物はほとんどないといって良いでしょう。
その建物で何をするにしても、水がなければ住みつくことはできません。
そのほか、最近ではエアコンや暖房を室内に設置するための配管も必要となります。
これらを設置するためには、建物の内外を繋ぐ穴を開けなくてはいけないのです。
そこでこそ切断穿孔工事が必要となります。
当然ながらここでは繊細な作業が求められるでしょう。
穿孔が大雑把なものだと配管と壁の間に隙間が生まれてしまい、事故のもとになってしまいます。
大半の建物は精密な穿孔があるからこそ何事もなく水道や空調を使うことができているのです。
そのほかの仕事としては耐震工事も挙げられます。
近年は日本各地で大地震が起き、建物の耐震性が問われる時代となりました。
耐震工事を行っていない家は、地震が来た途端に簡単に崩れてしまいます。
家屋が倒壊すると住民は降ってきた木材などの下敷きになってしまい、あっという間に亡くなってしまうでしょう。
こうした事態を防ぐためにも耐震工事が必須となるのですが、建物を一から組み立てるのは大変です。
時間もかかってしまいますし、なにより費用が莫大なものになってしまいます。
そこで最近では今ある建物の形をそのままに、中身だけを耐震性のある構造に変える耐震リフォームという工事が取り入れられるようになりました。
こうした施工が可能になったのも、切断穿孔工事の技術が進歩したからにほかなりません。

人々の安全を守る切断穿孔工事

先ほどは地震を例に取りましたが、人々の暮らしを脅かす災害はほかにもたくさんあります。
特に近年では大型台風や豪雨がもたらす河川の氾濫が頻繁に起こっているのです。
これによって毎年多くの人々が亡くなり、家屋なども浸水する被害が起こっています。
実はこうした被害が起こるのはインフラの整備が間に合っていないからにほかなりません。
河川の氾濫を防ぐダムや堤防などの設備は、何十年も前に建てられたものがほとんどです。
こうした設備は長年使われているために老朽化が進み、年々深刻さを増していく災害に対応しきれていません。
だからこそインフラの改修工事が必要となるのです。
もっとも、こうした老朽化したインフラは日本全国に存在します。
現状ではインフラの数に対して業者の数が追いついておらず、各地の改修工事は遅々として進んでいません。
こうした課題を解決するためには、少しでも工事の手間を減らせるような技術革新こそが必要です。
切断穿孔工事ではよりスピーディーにインフラ工事を行えるようにするために、さまざまな形で新たな技術を取り入れています。
これによって従来よりも改修工事がスムーズに行われるようになり、人々の安全が守られるようになったのです。
また、ダムや堤防のような大規模なインフラだけでなく、私たちの身近なところでも切断穿孔は活躍しています。
道を歩いていると頻繁に出くわすマンホールもその一つでしょう。
下水道に不備がないかを作業員がチェックするための入り口としてマンホールは設置されていますが、それを作るためにも切断穿孔工事が欠かせません。
そのほか、道路脇に設置されている側溝も切断穿孔工事によって作られています。

切断穿孔工事業に従事するためにはどんな資格が必要?

切断穿孔工事業に就職するだけなら、専門的な資格は必要ありません。
大抵の企業も未経験でも就業OKとしているところが多いです。
もちろん就職していきなりカッターを扱うわけではありません。
最初は見習いとして実際に先輩が切断穿孔している様子を見ながら技術を養っていきます。
そして仕事を始めて何ヶ月かした後にようやくカッターを扱えるようになるのです。
とはいえ、だからといって資格を取らなければいけないというものでもありません。
切断穿孔技士は、就業から三年ほどすると「コンクリート等切断穿孔技能審査試験」というテストを受けられる資格を持つようになります。
毎年三月になると協同組合が開催するテストを受けられるのですが、内容は学科試験と技能試験の二種類があります。
学科試験の内容は主に切断穿孔の際に扱う器具の名前や作業の工程の順番などを答えなければいけません。
安全に作業を行ううえで踏まえておかなくてはいけない知識を問われているといって良いでしょう。
技能試験は実際にコンクリートなどを削り取る技術を試験官に見せなくてはいけません。
安全に作業することはもちろんですが、正確性も問われてくるので長年の経験を活かすチャンスといえるでしょう。
この試験に合格すると晴れて資格を持てるようになり、職場でのキャリアアップや転職の際に役立てるようになります。
合格率は比較的高いので、まじめに職務に打ち込んでいた人なら誰でも合格できるテストといえるでしょう。

切断穿孔工事業の給料は?

切断穿孔工事業は大がかりな工事に携わることが多いので、必然的に給料は高くなりがちです。
もっともそれは長年職務に携わり、カッターを自由自在に扱えるようになった人にだけ当てはまります。
仮に未経験で入社した場合、初めの頃は切断穿孔工事にまつわる知識を蓄える段階ですから、いわば下積み時代にあたるのです。
となると当然給料も低くならざるを得ず、高くても月20万円程度の条件を出す会社がほとんどでしょう。
先ほど切断穿孔技能試験の話を出しましたが、この試験に合格して初めて給料が上がります。
試験に受かって初めてカッターが扱えると認められ、ようやく本格的な仕事を任せてもらえる人がほとんどです。
資格を取れるようになる三年目になるとほとんどの切断穿孔技士は月30万円から40万円の給料をもらえるようになります。
仮に20歳で会社に勤めたら、30代になる頃には年収600万円近くもらえる人もいるでしょう。
長年切断穿孔に従事してきた人は、作業だけでなく後輩の指導や現場の監督を任されるようになります。
となるとそれに合わせて待遇も良くなりますので、年収もそれに合わせて上がっていくでしょう。
建設コンタクトロゴ

「建設コンタクト」は、東京、埼玉、神奈川の建設業界求人に特化した転職サポートサービスです。
建設業界に特化し、さらに活動エリアを絞ることで、求職者様のご希望、経験、条件等にマッチするお仕事の紹介を提供いたします。高待遇求人や非公開求人も多数ございますのでお気軽にメールもしくはお電話にてご連絡ください。

お気軽にお電話もしくはメールでご連絡ください