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大工工事業とは

大工工事業は、木材の加工や取り付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取り付ける工事を行っている事業です。
大工工事や型枠工事、造作工事の3つに分類されています。
大工工事は、木材を用いて屋根や柱、梁などを施工する工事であり、型枠工事は、ベニヤ板などで基礎の型を組み、そこへコンクリートを流し込んでコンクリート基礎を作る工事で、鉄筋コンクリート造の中高層建築物に関わることが多い工事です。
また、造作工事は、大工工事で施工する屋根や柱、梁などといった主要構造部以外を木材を用いて施工する工事を指します。

大工工事業には建築業許可が要る

大工工事業は、500万円以上の工事を請け負うためには必ず建築業許可を取得する必要があります。
建築業許可を取得するためには条件があります。
まず経営業務の管理責任者が要ることです。
大工工事業を営む会社で役員もしくは事業主として5年以上の経験があるか、大工工事業以外の工事業を営む会社で役員または事業主として6年以上の経験があるか、大工工事業を運営する会社または個人事業主の下で6年以上の経営補佐経験があるかのいずれかの要件を満たせばば、ケイカンになれます。
次に建設業を営む営業所ごとに専任技術者を配置しているということです。
専任技術者の要件は学歴によって変動しますが、実務経験のみの場合であっても10年以上実務経験があれば要件を満たせます。
また大工工事に関わる工事に関して10年以上の実務経験を有することでも要件を満たせます(一定条件を満たせば8年でも可能な場合もあります)。
もしくは一級建築施工管理技士や二級建築施工管理技士(躯体・仕上げ)、一級建築士、二級建築士などといった大工工事業の対応資格を持っている方もなることができます。
ただし特定建設業許可を取得するためには実務経験のみでは取得することができません。
実務経験と合わせて指導監督的実務経験が2年以上必要となり、一般建設業許可よりも厳しくなっているので注意が必要です。
このほかに誠実性や財産要件、欠格要件に該当しないことなどといった許可基準が定められています。
これらを各都道府県に書類で申請して許可を得なければなりません。

大工の仕事内容

大工工事業では大工が職人となって作業を行います。
大工は、主に木造建築物の新築工事や増築、リフォーム、修理などを手掛けています。
のこぎりやのみ、カンナといった専門の道具と木材を使用して、建物の骨組みや外壁、屋根、床、花弁、天井、下地などを造り上げていきます。
大工の仕事は大まかにいうと加工と組み立ての作業を行っています。
加工は作業所で実施し、組み立ては現場で行われていきます。
建築資材はそのまま使うわけにはいかないので、現場に搬入する前に作業所で加工作業を行わなければなりません。
のこぎりやのみ、カンナで設計図面通りに建築資材を切り出し、さらには寸法を調整したり、表面を美しく仕上げを行い、ほぞ加工と呼ばれる木材の接合作業を実施します。
加工作業は少しのずれや寸法の差でも建物の品質に大きく影響します。
大変細かな作業になりますので一日中時間をかけて作業所で加工をするという日もあるほどです。
組み立ての作業は、建前という建築物全体の骨組みから始め、屋根の下地組み、サッシの取り付け、外壁や床下、天井の下地組み、内壁の下地組み、床材や内壁板貼付の工程で行われています。
木造建築の場合、基礎や構造体に雨水がしみ込むと大変なことになりますので建前は1日から2日で終了させて一度に外壁下地までを施工していきます。
そして屋根や外壁下地を防水シートで覆いながら組み立て作業に取り掛かる形です。
大工というと力仕事というイメージがある方も多いですが、設計図面を呼んで段取りを考えたり、図面を引いたり、施主との打ち合わせといった事務所で行われるデスクワークも多くあります。
最近では大工もIT化が目覚ましく、CADを使った図面作成も行われており、Excelを用いて工程管理表なども作成されています。
大工の種類は一般的な木造住宅を手掛けている町大工や鉄筋コンクリートの型枠を造り上げる型枠大工や寺社仏閣を造り上げる宮大工、建物の内部造作を手掛ける造作大工などに分けられています。

型枠大工の仕事内容

型枠大工の仕事は鉄筋コンクリート造りの建物などを造るときのコンクリートを流し込む型枠を造る職種ですが、生コンクリートを入れ、化学反応により数週間ほどかけて固めて型枠を取り外すまでの仕事が型枠大工の作業です。
住宅やビルなどだけでなく、橋やトンネルといったコンクリートを活用した建造物に関して型枠大工が行っています。

造作大工の仕事内容

天井、壁、床、窓枠などといった建築物の内装部を木材で造り上げる職種です。
下地を造る町大工とは違い、室内装飾を手掛けていく大工となるので、デザインなどのセンスも大きく問われる仕事です。
町大工に比べると肉体的な負担はそれほどかからないため、年齢を重ねて体力が衰えてきた町大工の方が造作大工に転身するという場合もあります。

宮大工の仕事内容

宮大工は、寺社や仏閣に代表される伝統建築物の建築や修繕などを行う職種です。
町大工が手掛ける在来工法とは異なり、木組みという伝統工法を使い木材のみで建造物を造り上げていきます。
これまでに紹介した大工の仕事に比べても非常に深い専門知識や技術が必要となる仕事となっています。
高い技術力を持ったプロフェッショナルにもなると、国の重要文化財などといった建造物の補修などに携わることもできるやりがいのある仕事です。
ただ、宮大工の仕事は全国でもそうそうある仕事ではないため、日本全国回って仕事をしていくケースが多いです。

大工になるために必要な資格とは?

大工になるために必要な資格はありません。
そのため今後のキャリアを構築していくために有利に働く資格はいくつかありますのでご紹介しましょう。

木造建築物の組立て等作業主任者

これは、労働安全衛生法に定められた作業主任者であり、国家資格となります。
工事現場に行くと作業主任者という表示をご覧になったことがある方もいらっしゃることでしょう。
作業主任者とは労働災害を防止するための監理を必要とする作業において、配置を義務付けられています。
木造建築物を組み立てる現場では必ずいなければならない人員となっています。
この資格は、基本的に木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を修了することで選任される資格を得ることができます。

建築大工技能士

建築大工技能士は、木造建築物工事に必要な技能資格で、国家資格として認定されています。
一級から三級まで用意されており、一級は実務経験7年以上、二級は実務経験2年以上、三級は実務経験6ヶ月以上の経験が受験資格の要件となります。
建築大工技能士の資格を持つことで信頼を高められるので、発注の機会が増える可能性もあります。
現場によってはこの資格を持っていることが条件となるケースもあり、持っているによってそれなりに大きな価値があります。

建築士

伝統的な木造建築の作業者として作業するために必要な資格として木造建築士という資格があります。
このほか、二級建築士も大工としてのキャリアアップを目指すならぜひ取得しておきたい資格となっています。
管理監督を行う人員のための資格であり、戸建て住宅だけではなく小規模な建築物も担当できるようになります。

大工に向いている人とは

大工の作業は肉体的な負担がかかる仕事ですが、設計図面を読むことや必要な材料の合計を積算して効率良く使用するなどといった頭を使う仕事も多々あります。
そのため体力があるというだけでなく、頭脳明晰で頭を使う作業も苦ではないバランスに長けた方が向いているといえるでしょう。
そういった方のほうがいずれのキャリアアップを目指すにも適しています。
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