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  3. 鉄筋工事業の仕事内容は?給料は?必要な資格は?

鉄筋工事業で独立も目指せます

鉄筋工事業の仕事は体力的にきついといったイメージがあり、全体的に人手不足となっています。
特に若い世代の働き手は少なく、業者が求人を出してもなかなか応募者が見つからないという状況です。
しかし、このような史上まれに見る売り手市場は鉄筋工を目指す人にとっては千載一遇のチャンスということもできます。
手に職がつくので定年など関係なしに長く働き続けることが可能で、将来的には独立開業して一国一城の主を目指すのも良いでしょう。

鉄筋工事業の仕事内容

鉄筋工事といえば、建設現場でハッカーという工具を使って鉄筋と鉄筋を結束するという作業が真っ先に頭に思い浮かぶ人も多いと思います。
最近は鉄筋工の守備範囲もどんどん広がっています。
努力次第では活躍のフィールドをどんどん広げることができるでしょう。
ここでは鉄筋工事業の仕事を流れに沿って紹介していきます。

1.加工帳や施工図の作成

クライアントから提供される設計図面や仕様書は鉄筋工事専用のものではなく、大工や設備工が受け取るものと同じものです。
この図面や仕様書を見るだけでは鉄筋工事を行うことができません。
まずは図面と仕様書から工事に必要となる材料の選定や数量の見積りを行い、加工が必要なものがあれば加工帳に記入して発注を行います。
また、現場で作業員が迷うことなく作業を進めていくことができるように、施工図を作成します。

2.鉄筋加工

鉄筋の加工は自社の工場か、自社工場がない場合は外部の加工業者に発注して加工してもらうのが一般的です。
しかし、特殊な形状の鉄筋を少量加工したい場合など必要に応じて鉄筋工が現場で鉄筋加工を行うこともあります。
現場では大きな電源が使用できないため、メタルバンドソーを使って切断加工を行うことや手動のオートベンダーを使ってL字型やU字型、フック曲げなどの曲げ加工を行います。

3.配筋、段取り

必要な鉄筋が揃ったら作成した施工図に従って必要な場所に必要な本数の鉄筋を取り付けていきます。

4.嵌合

配筋した鉄筋を組み立てる作業の中で、必要に応じて鉄筋と鉄筋をつなげなくてはいけないケースがあります。
鉄筋と鉄筋をつなぐことを嵌合といいます。
つなぎ方は大きく4つに分類することが可能です。
a)重ね継手
短い鉄筋をつなぎ目の部分で重ね合わせて、周囲のコンクリートの付着力を利用して鉄筋を一体化させる工法です。
太さの違う鉄筋を接合するのに便利ですが、鉄筋の強度はコンクリートの強度に影響を受けます。

b)ガス圧接継手
ガス圧接継手は日本で独自に発達した工法です。
比較的太い鉄筋同士をつなぐときに用いられます。
鉄筋の端面同士を突き合わせて酸素アセチレン炎で加熱し、赤熱状態になったところで圧力を加えて接合します。
嵌合の工程で大きな装置などが必要なく比較的低コストで施工が可能であることに加え、信頼性が高いのがこの工法のメリットです。
しかし、風雨が強いときなどは行うことができません。

c)機械式継手
機械式継手は鉄筋と鉄筋を直接つなぎ合わせるのではなく、スリーブやカプラーと呼ばれる鋼管と異形鉄筋の節の噛み合いを利用して接合する工法です。
機械式継手にはいくつかの方法がありますが、例えばトルク固定方式では接合部分にカプラーをかぶせてナットで締め付けることで固定します。
このほかにもネジ加工した鉄筋同士をつなぐグラウト方式やスリーブにモルタルを充填して固定するモルタル充填方式などがあります。

d)溶接継手
溶接継手は鉄筋の接合面を溶融させて接合する工法です。
以前はフレア溶接継手が主流でしたが、現在はエンクローズ溶接継手が一般的になっています。
元々鉄道のレール継手に使われてきたエンクローズ溶接継手は接合部で溶融金属が流れでないように溶融池を当て金で囲み、アーク溶接によって鉄筋を継ぎ足す方法で、強度が強いことから大型の集合住宅や商業ビル、プラントなどで用いられます。

5.結束

最終的にハッカーという工具を使って針金状の結束線で鉄骨を固定していきます。
熟練の鉄筋工になると短時間に水平・垂直・平行にきれいに仕上げます。

鉄筋工事業の年収

鉄筋工の働き方はアルバイトから正社員まで幅広く、アルバイトの場合は日給で給料をもらうのが一般的です。
アルバイトの日給は初心者で8,000~1万円ほど、経験を積むに従って1万4,000~1万6,000円くらいまで上がっていきます。
正社員の場合、2018年の実績では男性が448万2,400円、女性が394万400円で、日本の労働者平均年収を少し上回る水準です。
近年は慢性な人手不足、東京オリンピックなどの建設ラッシュなどの影響から給与水準が毎年上昇しています。
資格手当などによってさらなる収入アップも期待できるでしょう。

鉄筋工事業の仕事に向いている人

鉄筋工は地震が多い日本では建物の強度を守るという非常に重要な役割を担った仕事です。
自分の知識や技術が人の生命や財産を守ることにつながるという意味でも、非常にやりがいのある仕事といえます。
しかし、その一方で人手不足は深刻で、鉄筋工の求人倍率は10倍以上ともいわれています。
ここでは鉄筋工事業に向いている人の特徴を紹介します。
自分に当てはまると思ったら、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。

1.体力に自信がある人

鉄筋工といえばガテン系を代表する仕事です。
特に若いうちは一日中資材などの重量物を運搬したり組み立てたりするため、体力に自信がある人、身体を動かすのが好きな人には適した仕事だといえるでしょう。
ただし、60代や70代といった年齢の鉄筋工もいますし、女性の鉄筋工も最近増えていることを見ると単純に体力だけが求められる職場ではないということも事実です。
しっかりとした技術を身に付けることで効率的に作業ができるようになれば体力的なつらさも緩和できるでしょう。

2.協調性のある人

鉄筋工は鉄筋の仕事だけでやっていれば良いわけではありません。
現場ではいろいろな職人が一緒に働いていて、時には助け合ったり譲り合ったりしながら作業を進めていくことになります。
工期を守るためには協調性やコミュニケーションを大切にし、効率的な仕事ができるように心がけなければいけません。

鉄筋工事業で持っていたほうが良い資格

ここでは鉄筋工事業の仕事をする上で持っていたほうが良い資格を紹介します。
鉄筋工事業で働くために絶対に必要な資格というものはありませんが、やりがいのある仕事するため、少しでも給料をアップさせるためにも、資格の取得を目指しましょう。

1.玉掛作業者

現場で重い資材などを運搬するときにクレーンなどを使用することがあります。
クレーンに荷物を掛けたり外したりすることを玉掛け作業といいますが、1トン以上の玉掛け作業を行うには「玉掛作業者」の資格が必要になります。
玉掛作業者は厚生労働省の認定する国家資格ですが、合格率は95%前後と難易度は高くありません。
必要な講習を受けて実技試験に合格すれば資格を取得できます。
また、玉掛作業者と関連してクレーン運転士の資格も取得しておくと活躍の幅が広がるでしょう。

2.鉄筋技能士

鉄筋技能士は厚生労働省の認定する国家資格であり、鉄筋工事に関する知識や技能が一定水準に達しているかどうかを検定します。
鉄筋工として働く人にとっては事実上の標準資格となっています。
等級は三級・二級・一級に分かれていますが、実務で必要とされるのは二級と一級です。
ここでも説明したように資格がなくても鉄筋工として働くことはできますが、公共事業などの大規模工事では一級技能士が現場に常駐することが義務付けられているため、技能士資格を取得することはキャリアアップには欠かせないでしょう。

3.建築施工管理技士

建築施工管理技士は国土交通省の認定する国家資格です。
鉄筋工事や大工工事、内装仕上工事などの建築工事について施工計画を作成することや、現場監督として工程管理や品質管理・安全管理にあたる上で必要な知識技能を検定します。
一級建築施工管理技士に合格すると建築一式工事や大工工事、左官工事、鳶などさまざまな工事に関して監理技術者や主任技術者、専任技術者として担当できるようになるため、非常に評価の高い資格です。
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