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  3. 道路標識業・道路標示業ってどんな仕事?

はじめに

道路標識、道路標示という単語を知っていますか?車を運転する人は自動車教習所で必ず教わりますよね。
道路で私たちの身の安全を守ってくれる、大切な役割を果たしているものです。
それらもすべて人の手によって一つひとつ設置されています。
ここでは道路標識業及び道路標示業がどんな仕事なのか、詳しく説明していきます。

道路標識・道路標示って何?

まずは道路標識・道路標示がそれぞれ何を意味しているのかについて見ていきましょう。

道路標識

道路標識とは、道路の傍らに設置されている標示板のことです。
「案内板」や「自転車マーク」などさまざまなものがありますよね。
これらは道路の利用者に対して必要な情報を提供したり、交通事故を未然に防ぐために警戒すべき事柄を知らせたり、指示を出したりしています。
道路標識には大きく分けて2種類あります。
「本標識」と「補助標識」です。
以下をご覧ください。
本標識:以下の4種類があります。
・案内標識
以下の3種類があります。
・経路案内:目的地や通過地の方向を示します。
例)東京〇〇Km、国道番号 など
・地点案内:都府県・市町村の境界や道路上の位置を示します。
例)東京都、東京駅 など
・付属施設案内:道路上の施設を示します。
例)車線、バス乗り場 など
・警戒標識
道路利用者に対して、道路上での危険や警戒するべきことを知らせ、注意深く運転するように警告します。
例)道路工事中、踏切あり など
・規制標識
道路利用者に対して、交通上の禁止や制限、指定を行います。
例)通行止め、一方通行 など
・指示標識
特定の交通方法があることを知らせることや守る必要のあることを知らせます。
例)駐車可、横断歩道 など

補助標識
設置した標識に対して理由を補助します。
例)通学路、区域ここから など

道路標示

道路標示とは、道路の表面上にペイントされている文字や記号のことです。
「カーブ注意」「50(制限速度)」などがそれにあたります。
道路標識と同じように、指示によって交通をスムーズに知ることや交通事故を未然に防ぐための役割を担っています。
道路標示には2種類あります。
・規制標示
事故を未然に防ぐために交通の流れを規制します。
例)最高速度、停車禁止部分 など

・指示標示
交通が安全でスムーズに流れるように指示することや通行できることを示します。
例)安全地帯、右側通行 など

どんな仕事なの?

道路標識や道路標示がそれぞれ意味するものや、種類が複数あることがわかっていただけたでしょうか。
これらもすべて人の手によって作られています。
「道路標識業」「道路標示業」と呼ばれる仕事です。
それでは仕事内容について詳しく見ていきましょう。

道路標識業

実は標識の種類によって管理者が異なります。
案内標識及び警戒標識は、国土交通省、都道府県、市町村などの道理管理者が設置するのです。
規制標識及び指示標識は、都道府県公安委員会が設置します。
そのため、施工する際にはそれぞれの標識について幅広い知識を持っていることが求められるのです。
道路標識を立てるまでには複数の工程があります
(1)打ち合わせ:設計図を確認しながら打ち合わせを行います。
(2)現地調査:設置する場所の調査を行います。
近くにあるすでに設置済みの標識の状況もあわせて確認します。
(3)土台作り:設計図に従って設置場所の地面に穴を掘ります。
その後で、クレーンを使って穴の中に支柱を立て、周りにコンクリートを流し込みます。
(4)養生:穴が埋まったらカバーをして覆い、固まるまで養生します。
(5)取り付け:柱に案内板を取り付けます。
このように数日に渡って作業が行われます。
施工期間は短いもので1~3日、長いものでは数ヶ月にも及びます。

道路標示業

道路標示も種類によって管理者が異なります。
規制標示は公安委員会、指示標示は行政などの道路管理者が管理しています。
道路標示が描かれるまでの工程は以下になります。
(1)測量:現場に赴き測量を行います。
(2)作図:測量結果をもとにどのような線を描くか作図します。
最も重要な工程です。
(3)施工:専用の機械に約200度に熱した塗料を流し込み、作図の通りに線を引いていきます。
(4)事後作業:現場の掃除をします。
所要時間は場所によってさまざまです。
横断歩道などは数十分で終わります。
ただし、工事を実施している間も交通量はあるため、危険と隣り合わせであることを常に意識しておく必要があります。
危機管理が重要な仕事です。

この仕事のメリット・デメリット

大変そうな仕事だというイメージが強い道路標識業・道路標示業の仕事におけるメリットやデメリットが気になりますよね。
それぞれ見ていきましょう。

メリット

・社会への貢献度が高い
自分が設置した道路標識や標示が、そのまま道路利用者の安全や利便性につながります。
そのため、社会的な貢献度が高いので大いにやりがいを感じるでしょう。
友人や家族なんかに「あの標識、私が設置したんだよ」なんて鼻高々に自慢できてしまいます。

・安定性がある
社会インフラを支える役割として、なくてはならない存在です。
今後も新たな建物や観光地などがどんどん増えていくことが予想されるため、仕事の安定性があるといえるでしょう。

・未経験でもOK
道路標識業・標示業は未経験歓迎の求人が多いため、まったく異なる業種からの転職もしやすい仕事です。
業務はチームで進めるため、先輩社員のアシスタントから入って徐々に知識や技術を付けていくことができます。

デメリット

・気候や路面の状況に左右されやすい
基本的に作業で使う機械は同じものですが、路面の割れが酷いなど状況によっては他の特殊な機械を使うといった対応が必要になります。
また、接地面の温度によっても左右されます。
接地面が5度以下の場合、通常の塗料で正確に線を描くことが困難になるため、代わりにペンキを使用することもあるのです。

・危険と隣り合わせ
工事中も実際に自動車は走っています。
警備やカラーコーンを配置して身の回りの安全性を確保してはいますが、最終的には自分の身は自分で守らなければなりません。
目の前の作業に没頭しすぎる人は注意が必要です。

資格はどんなものがあるの?

未経験で資格がなくても就ける職業だということがわかりました。
次はどんな資格を取れば将来的に役に立つのかが知りたいでしょう。
以下のようなものがあります。

土木施工管理技士

施工管理技士の国家資格の一つで、土木工事(塗装、河川、橋など)の施工管理を行います。
土木工事を行うすべての工事現場で必要とされているため、この資格を持っていれば転職には困りません。

路面標示施工技能士

国家資格です。
路面標示の工事をする際は、必ず路面標示施工技能士が立ち会うことが法律で決められています。
路面標示施工技能士になるためには、国家試験での合格と5年の実務経験が必要です。
まず路面標示施工会社に就職して現場の作業を学びます。
そして国家試験に合格し、実務経験が5年になると、工事責任者として現場を任されるようになり幅広く活躍することができます。

道路標識点検診断士

道路標識の設置、点検、診断に関する専門的知識や技能を持っていることを示す資格です。
道路標識点検診断士になるためには5年以上の実務経験と、一級土木施工管理技士などの特定の資格を持っていることが前提です。
そのうえで研修を受講し、資格試験で合格する必要があります。

まとめ

道路標識業・道路標示業の仕事について、標識や標示の説明から、仕事内容、仕事上のメリット・デメリットまでお伝えしてきました。
人々の命の安全性に密接に関わる仕事である分、責任や負担は大きいでしょう。
しかし、それだけ社会全体を支えているやりがいのある仕事だということは間違いありません。
専門的な知識や技術を身に着付けれるため、同じ業界であれば転職するときもスムーズにいくでしょう。
今後ますます需要が増えていくであろう道路標識業・道路標示業の仕事。
あなたもその一員となって、日本をより暮らしやすくしていきませんか。
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